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田村研究部長の半径3mに大切なもの見る視点 1

自宅で酒に酔った父親から胸ぐらをつかまれ投げ倒された長女が、チャットGPT(通称チャッピー)に「父親から暴力を受けたがどうしたらいいか」と問いかけ、その回答を頼りに児童相談所(189いちはやく)に電話をかけた。

児相は長女から「首も絞められた」と聞いたため本件を人身安全事案と判断し警視庁へ連絡。出動した警察官は自宅で父親を現行犯逮捕。

すぐに父親は釈放されて在宅捜査に切り替わった。

父親は球団に監督辞任を申し出て受理された。


児相も警察も、チャッピーも球団も、適切な対応をしたと言ってよい。

招いた結果の重さに家族は戸惑っているようである。

しかし児相が本件を世間に公表したわけではなく、警視庁が記者会見をしたわけでもない。

有名人である父親を常時見張っていた担当記者が緊急逮捕の一部始終を報道ラインに載せたことが招いた結果である。


学校での体罰は1879年の教育令にて早くも禁止されている。

生徒を殴ったり縛ったりしてはならないと。

一方で家庭での体罰はどうかというと、2019年の児童虐待防止法改正でようやく禁止された。

体罰に加えて「児童の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない」とも規定された。

学校での体罰禁止に遅れること140年。

その後2020年の児童福祉法改正、2022年の民法改正と続いた。

親権から懲戒権行使を削除したのはダメ押しとなった。

子の監護と教育という親義務を行使する際に、しつけと称する体罰を招いてしまう懲戒というくびきが断ち切られたのである。

言葉による暴力も夫婦喧嘩等の面前DVも心理的虐待として禁止になった。

あらゆる虐待を禁止され懲戒権をも奪われたことで戸惑っている親は少なくないだろう。


今推し進めるべきことは、体罰等によらない子育ての探究である。

しかし体罰に代わる支援方法の知見が十分に用意されているとは言い難い。

教育学の出番と言いたいところだが無力感との闘いでもある。

何はともあれ本件で問われているのは、140年ぶりに法的・社会的環境が変わったことへの周囲の理解と家族への支援だろう。

阿部家の再生を心から願ってやまない。


田村

 
 
 

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